続いて本の感想(ブックレビュー)3記事目です。
実は先週、有給休暇を2日もらって、そのときに「これは経費で落ちません!経理部の森若さん」と、「3月のライオン」というマンガを読みました。
どっちも泣いちゃいましたよ…。いい本、いいマンガって最高!
…ということで、今回は、「これは経費で落ちません!経理部の森若さん」の感想を記事にしてみたいと思います。
なぜこの本を選んだか
この本を知ったのは、NHKでのドラマ化でした。
しかも、ドラマも初回からチェックしていたわけではなく…。
たまたま飲み会で遅く帰ってきて、テレビをつけたらやっていて、なんとなく見始めたらすごくおもしろい!となって、そこから最終回まではとーっても楽しみにしてみてました。
多部ちゃん演じる森若さんの気持ちが、労務ワーカーの自分としてすごく共感する部分があり…。
多部ちゃんがかわいいのはもちろん、脇をかためる伊藤沙莉さん、江口のりこさん、吹越満さんなど、キャストも本当完璧で…。
重岡大毅(ジャニーズWEST)さん演じる山田太陽くんも、ほんとに「太陽!」ってかんじで、明るいけど押しつけがましい明るさじゃくてとても好感がもてました。
やばい!このままではドラマ感想ブログになってしまう!!
ドラマのリンクを貼っておきますね。
そんなわけで、「本でも読んでみたい!本なら続きも読めるし!」思ったのがきっかけです。
どんな人にオススメしたいか
- とにかく全労務ワーカーに読んでほしい
- 会社で上層部と社員の板挟みになったことがある人
- 自分の信念に基づいた行動をしたけど、ほかの社員から責められた人
- 本当は思ったとおりに行動したいけど、なかなか勇気がでない人
- フェアを貫きたいけどなかなかそればかりでは難しいと感じている人
- #イタボキを楽しみにしている人(簿記のB/Sをイメージできるとよりわかる)
それでは、感想を書いていきたいと思います!
森若さんが大切にしている「イーブン」
森若さんが大事にしていることは、「フェア」であることよりは「イーブン」であることです。
「イーブン」とはなにか。
簿記のB/Sのように、入ってくるものと出ていくものが同じ状態であることが「イーブン」です。
森若さんの考えるイーブンとは、
「会社にも、他人にも与えた以上のものは求めず、求められた以上のものは与えない。差引ゼロ。すべてにおいてどちらの負担にもならないこと。」
「これは経費で落ちません!経理部の森若さん」
一見これだけ聞くと、冷たいようにも感じますよね。
でも、違うんです。この「イーブン」であるということが、森若さんの最大の魅力であり、それが人を救うことがあるんです。
「イーブン」であるとはどういうことか
森若さんは入社5年目の27歳。
天天コーポレーションという石鹸や化粧品を扱うメーカーの経理部に所属しています。
シスコン気味の大学生の弟と、実家の愛猫(まぐろちゃん)から、すごい愛をうけていますが、日々はとにかく自分のペースを崩さず過ごすことを望んでいます。
しかし、天天コーポレーションの森若さんの周りでは、いろんな人間模様があり、森若さんは望む望まないにかかわらず、経理ワーカーとして、その人間模様に巻き込まれていきます。
その中で、森若さんがとても怒る場面があります。
「驚きが過ぎると腹の底が熱くなってきた。怒りである。怒りといらだち。」「腹は熱いのに頭は急速に冷えていく。」
「これは経費で落ちません!経理部の森若さん」
しかし、森若さんは怒りを押し殺し、イーブンであろうとします。
「自分いいこでも善人でもない。」いつもと同じように、事務的かつできるだけ優しく告げる。
「これは経費で落ちません!経理部の森若さん」
私は、ここで泣きました。
森若さんだって、いろんな感情があります。森若さんだってまだ20代の一社員です。
でも、「イーブン」であることという自分の芯になるものに基づいて行動します。
森若さんにとっての「イーブン」とは、ただただ冷静に判断するということではありません。
森若さんは、自分に与えられている責任、裁量をちゃんと理解しています。
その中で、自分の言動や行動によって、相手へ与える不利益、自分への不利益をきちんと理解し、自分の責任、権限の中で、利益や不利益もできるだけイーブンになるよう判断するのです。
ただの四角四面に行動する、冷たい人なわけじゃないんです。
それが私が森若さんに憧れる理由です。
「イーブン」であるからこそ救えるときがある
森若さんが「イーブン」であることは、ときに社内の人からは「怒ると怖い」というようなことをいわれたりします。
だけど、その「イーブン」であるということが、相手の未来を後押しすることになったりするんです。
でも、その結果すらも、あくまで結果です。
なぜなら、どう受け止めるかは相手が決めることで、それは誰にもコントロールできないからです。
だからこそ、森若さんの「イーブン」が相手に届いたとき、そこからあたたかな交流が生まれたとき、私は、本当に嬉しいのです。
森若さんは、完全懲悪のヒーローではなく、ただただ、一経理部員です。
でも、その中で、ひとつずつ問題に向き合っていく。その姿がとてもよかったです。
森若さんが感じる感情は、労務ワーカーなら絶対共感できる
労務ワーカーの方は、普段の仕事の中で、社員と上層部、または社員と規則などの間で、揺れることや、社員が嫌がるようなことを言わなければならない場面も多いと思います。
でも、労務ワーカーだって人間です。一社員です。
冷静に事実を伝える裏側には、怒りや、悲しみや、理不尽や、いろんな感情がうずまきます。
でも、だからこそ、誰に対しても「イーブン」でありたいと願う。
私はそんな労務ワーカーに心から敬意を伝えたいし、自分もそうありたいと思います。
なかなか、現実は厳しいですが、一歩ずつ、ですね。
この森若さんシリーズは、現在までで6巻まで刊行されています。
続きを読むのが楽しみです!