第71回社労士探究会のZOOM勉強会に参加しました
社労士探究会とは?
こんにちは。
社労士試験4回目にしてやっと合格でき、今は現役労務ワーカーとして働いてる11ぴきのぺんぎんです。
今回は、第71回 社労士探究会勉強会 Zoomセミナーに参加して感じたことを記事にしたいと思います。
まず、この会を主催している社労士探究会について説明します。
社労士という資格は、資格試験に合格し、実務経験(または事務指定講習を受講)があれば、登録したらすぐに「社労士」として名乗れます。
しかし、合格後は、なにかのきっかけや行動を起こさなければ、どうやって社労士業務の勉強を続けたらいいか、開業したあとは何をしたらいいか、先輩社労士のみなさんと出会いにはどうしたらいいか、その何もかもがわかりません。
もちろん、社労士合格者である私もそうです。
そんな若手社労士の悩みを解消するべく、2012年に、映画を見に行くくらいの気軽な感覚で参加できる社労士のための勉強会&交流会を目指し立ち上げられた会、それが社労士探究会の発祥である、名古屋社労士探究会です。
立ち上げ以降は、名古屋で年に5~6回の勉強会を開催していましたが、新型コロナの感染拡大を受け、2021年4月にオンラインでの開催に変わりました。
な、なんてありがたい…(ノД`)・゜・。
この社労士探究会は、毎月1回様々な社労士の先生をゲストに迎え、社労士の仕事についてのお話しを聞くことができます。
参加費はたったの1,100円!!( ゚Д゚)
有料セミナーであるため、ブログ記事にすることもよくないかな…という思い、企画してくださった大津先生に再度確認させていただきました。
そうしたら、このようなお返事が…。
うう、なんてありがたい…。
そのお言葉に甘えて、今回も一生懸命社労士試験の受験生に向けて、今回の勉強会の内容をまとめてみたいと思います。
第71回 社労士探究会勉強会は、障害年金で有名な松山純子先生!
第71回目は、障害年金で有名な、YORISOU社会保険労務士法人 代表の松山純子先生がゲストでした。
タイトルは、「障害年金業務を通じて見えてきた社労士の役割・可能性 ~人を守ることができるのは「企業」かもしれない」でした。
私は最近まで松山先生のことは存じ上げなかったのですが、いろんな社労士の先生方から松山先生のお話しがでていたので、「スペシャリストの先生なんだな~。」くらいの予備知識でした。
そして、kikiさんが大ファンということで、素敵な先生なんだろうな…とも思っていました(^^)
まさか、そのあと大号泣するとは知らずに…(ノД`)・゜・。
このひよこの学習塾のセミナーでも、お名前があがっていましたよね(^^)
今回のこの勉強会は、私にとって事前の想像を大きく超える内容でした。
このTwitterの内容からもおわかりになるでしょうか…。
無限列車並みに泣いたんだよ…。
その素晴らしい内容を、どこまでお伝えできるかわかりませんが、早速記事に入りたいと思います!!
松山先生が教えてくれた、障害年金を通じて見えてきたもの
一般企業、社労士事務所経験なしで「障害年金がやりたい!」で開業
松山先生は、学校を卒業してから、重度の精神、身体、知的障害の混合施設に10年勤務され、そのあとすぐに開業されたそうです。
なので、一般の企業の経験もなければ、社労士事務所での経験もないままに、開業したそうです。
私は、福祉施設→開業という流れを聞いて、そのような社労士の先生もいるんだ、本当に社労士として活躍するまでの経歴って、千差万別なんだなと、ちょっと驚きました。
松山先生が開業するまでに勤務されていた施設は、障害者の人が働く一般企業のような施設で、そこで働いているみなさんが、とても楽しそうに働いていたそうです。
今から25年近く前のことですが、その施設では、いろんな働き方が認められていて、週何日勤務や、在宅勤務なども普通にあったそうです。
今でこそ、在宅勤務や時短勤務、そして副業などの多様な働き方が少しずつ浸透しつつありますが、25年前といえば、フルタイムで働けなければ退職しなければならない、そんな空気が主流だったのではないでしょうか。
なので、開業した松山先生は、その施設での働き方と、ほかの一般企業の働き方のギャップに驚き、「世の中冷たいな…。」そう思ったそうです。
働く=社会との繋がり=存在価値
そんな松山先生が、まだ20代のころ、とても衝撃的だったことがありました。
先生の勤務されていた施設で、20代の男性が筋ジストロフィーという筋力が衰えていってしまう病気を抱えながら、勤務されていました。
筋ジストロフィーの方は、どんなに重度な方でも、パソコンさえあれば仕事ができるため、SEとして働いていたそうです。
しかし、最終的に首の筋力が衰え、人工呼吸器をつけなければならなくなり、そこで退職の話をすることになりました。
そこで、その彼から語られた言葉は、
「この会社に籍だけは置いておいてほしい。
退職したら、自分の存在価値がなくなってしまう。
どうやって生きていったらいいかわからない。
働けないけど、社会とつながっていたい。」
という切実なものでした。
そこで、松山先生は、働くということは、社会とのつながりであり、それが生きる喜びになるということを知り、この経験は、松山先生の土台となっているそうです。
障害年金はただの所得補償ではなく、生きる力となるもの
そして、松山先生が、自身で開業してまで障害年金に取り組みたかったのはなぜでしょうか。
それも、松山先生の一つの経験からだそうです。
先生の勤務先の施設には、「頚椎損傷の全身まひ」という同じ障害を抱えながら勤務している2人がいました。
頚椎損傷の方は、どうしてもじょくそう(床ずれ)という症状がでてしまいますが、そうなった場合、お尻を浮かしておく必要があるため、Aさんは、休みをとりながら勤務していました。
しかし、一方Bさんは休みをとらずに勤務をしていました。
そして、Bさんはとうとうお休みし、その後復職することはできませんでした。
その二人の違いは、「障害年金の受給の有無」でした。
Aさんは障害年金を2か月に1度受け取っていたため、欠勤しても安心することができました。
しかし、Bさんは未納だったため、障害年金をもらえていなかったため、生活のために欠勤はできなかったのです。
つまり、障害年金を受給できるということは、社会とつながれる時間、そして生きる喜びをもてる時間が長くなるということに繋がるのです。
障害年金は、単なる所得補償ではなく、「希望・絆・生きる力」となり、障害者の人にとって薬以上の効果があるものである。
そう松山先生は感じ、社労士になって障害年金を広めたいと思ったそうです。
「大丈夫、働けます!」は、障害者にだけの言葉ではない
松山先生は、この勉強会を通じて、「大丈夫、働けます!」というメッセージをずっと発信しつづけてくださっており、そのために先生が社労士として行っている具体的なことを挙げてくださいました。
その中のエピソードで、私が号泣してしまったエピソードが、あります。
ある日、松山先生は、とある障害者就労支援施設の理事長だった方の講義に参加されたそうです。
その中で、その理事長さんが語られたご自身の経験で、引きこもりの子供をもつ親御さんに対してセミナーを行った際に、最後お母さん方から質問を募集したそうです。
そのときに、さっと手を挙げたお母さんの一人が、
「うちの息子は仮面ライダーになりたいっていうんですけど、どうやったらなれますか?」
と、質問されたそうです。
すると、別のお母さんも手を挙げ、
「うちの子も仮面ライダーになりたいっていうんです。」
といったそうです。
理事長先生は、こんなにも仮面ライダーになりたい人って多いのかと思ったそうですが、あとから手をあげたお母さんが教えてくれたそうです。
「うちの息子は、引きこもっていて外には全然出ないんです。それでも仮面ライダーになりたいっていうんです。
だから私は言ったんです。
仮面ライダーは中に人が入っているんだよ?って。」
松山先生は、それを聞いたとき、それをいっちゃうんだ、さすがお母さんだなと思ったそうです。
そしたら、その息子さんは、
「それなら、ぼくは仮面ライダーになれるかもしれない。」
といったそうです。
そして、今どこかで仮面ライダーをやっているそうです。
松山先生は、泣いてしまい、
「誰もが働けるんだな、人って働けるんだな」
と、思ったそうです。
私は、この話をきいたとき、泣けて泣けて、講義の続きを聞くことができませんでした。
だって、これは、障害者だからとか、関係ないと思ったからです。
誰だって、誰かの役に立ちたいという想いはあります。
だけど、現実の自分は、人と比べてできないことの方が多いし、すぐ落ち込んだり、人に優しくできなかったりする。
でも、そんな自分でも、形を変えれば、誰かの役に立てることがあるかもしれない。
そんな想いは、障害の有無に関わらず、一緒なのではないでしょうか。
私が、このブログを続けている理由もそこにあって、こうして文章を書いているのかもしれません。
「嫌いにならないで~」から考えた労務ワーカーとしての現実
障害者の方は特別な人ではなく、少なからず、自分と同じ気持ちを抱えているのではないか。
そして、いつ自分だって、そのような環境になるかわからないと思ったときに、普段の自分が労務ワーカーとして向き合う障害者雇用の現実を考えました。
松山先生は、この勉強会の中で、大切にしたいことをして、三つの項目をあげています。
それが、
- 何か理由があるのかもしれない
- 知る(聞く)
- 嫌いにならないで~
の3つです。
この3つを企業ができるよう、松山先生は外部機関を紹介したり、面談を行っていたりするそうです。
実際、私が労務ワーカーとして障害者雇用を経験してきたときに、なかなかこれが難しかったです。
始めは、なんとかお互いに気持ちよく働いていこうと思っても、本人の希望や周囲との軋轢で、だんだんと気持ちが重たいものになっていきました。
だからこそ、今回松山先生の講演を聞いて、松山先生と出会えた企業や障害者の方は幸せだし、そして先生のような社労士が増えれば、もっともっと幸せな雇用が生まれるのに…と強く思いました。
きっと、始めから障害者雇用を重荷に感じていた企業は少ないのだと思います。
しかし、手探りの中でやってみて、気持ちを尽くしてみても、どうしてもうまくいかない現実に疲弊し、障害者雇用に及び腰になる。
今回、障害者側の気持ちと、労務側からの気持ちがごちゃ混ぜになり、少し苦しい気持ちにもなりました。
だからこそ、松山先生のような存在が、もっともっと増えてほしいと、一労務ワーカーとして思いました。
やりたいことを継続するために。松山先生の開業間もないとき
最後に、松山先生が開業したての状況や、今の事務所の状況をお話ししてくださいました。
松山先生が開業した15年前は、障害年金をやる社労士は皆無で、変わった社労士として見られていたそうです。
そして、先生が開業して気づいたことは、顧問契約がない事務所経営では、やりたい障害年金をずっと継続することもできない!ということでした。
今は、売り上げの半分が顧問契約、半分が障害年金だそうです。
当初は、「障害年金をやりたい!」と思っていたけど、顧問契約をすることで、経営者の視点を理解できたり、顧問先の従業員の支援もできるので、顧問契約をするようになってよかったとお話しされていました。
また、開業して気づいたことは「手続き業務ができればOK!ではなかった…」ということだそうです。
そこから、松山先生は、労働局の分厚い助成金の冊子で相当勉強し、実際に様式を書いてみて、ハローワークにあっているか確認に行ったりしたそうです。
そして、ハローワークや労基署でパンフレットをもらってきては、その制度を読み込み、
「この制度をこの制度を組み合わせたらこんな提案ができるぞ…。」
と、妄想していたそうです。
松山先生、妄想好きだそうです。親近感…。(^^)
また、松山先生は、自分になにかあって、障害年金の手続きや給与計算が止まってしまうことを回避するため、始めから事務所の人を増やす方向で考えていたそうです。
そして、人が増えるまでには、自分になにかあったら頼める社労士の先生を見つけておいたそうです。
松山先生が考える、社労士の未来
参加者の質問で、「社労士が外部支援として障害者雇用に携わるということはアリですか?」というものがありました。
障害者の支援としては、公的なものがあるから…ということを踏まえてされた質問です。
松山先生は、大いにあり!と回答されていました。
それはなぜかというと、社労士は、
法律的な観点から話ができる、就業規則上の話ができる、そして企業の人事や経営者と話ができる。
だから、社労士は、「個人のトラブルの話を、「これからどうしていくか」という未来の話にできる、唯一の資格者」だと松山先生は思っているからだそうです。
ただ、外部支援として入る時には、障害年金をやっている社労士の先生と連携しながらやることをオススメするそうです。
また、松山先生は、社労士の資格は、求めてもらえる業務であり、障害年金に関わらず、まだまだ需要がたくさんある素晴らしい資格だとおっしゃっていました。
そして、最後に、社労士は本当にいい業務、資格であり、あったかい資格、そして人を幸せにできる資格だとおしゃっていました。
これから、多くの社労士がどんどん発信して、社労士の仕事はあたたかくていい仕事だっていうことを伝え続けていけたらいいなと思っていると…。
そして、私たちにむけて、「そういう未来を一緒につくっていきましょう。」というメッセージをくださいました。
うう…(ノД`)・゜・。
このセミナー全体で感じたこと~まとめに代えて~
今回、私はこのセミナーを、できれば動画で、一人でも多くの社労士を目指すみなさんに、実際に視聴してほしいと思っています。
なぜなら、実際に松山先生から語られる言葉には力があるし、今まで経験したどのセミナーとも同じでないと感じたからです。
松山先生のお話しを聞いていると、ホワホワして、「天使…!?(ノД`)・゜・。」と思う場面も多いですが、しかしところどころに芯の強さを感じ、それもとても素敵です。
少なくとも私は、今まで自分がもっていた社労士像が、少し変わったような気がしています。
なんなく私は、社労士は社長さんと向き合い、売り上げを上げていくことが王道のような気がしていましたが、今回の松山先生のお話しを聞いて、
「誰に視点を合わせるのか、そして合わせたいのか」
これがとても大事であり、そしてそれは王道でなくても、自由に決めていいということを感じました。
働くということは、私たちが思っている以上に、生きる喜び、存在価値となるものです。
そして、働く場所を生み出せるのは企業であり、その企業に近いところで一緒に何ができるのかを考えることができる資格、それが社労士なのかもしれません。
自分のすきなこと、得意なこと、そしてできる時間で働く。
それは、障害者の方だけでなく、私たち社労士のタマゴにとっても、同じことかもしれません。
まだ自分に何ができるかはわかりませんが、これを読んでくださるみなさんと、一緒に探していければと思っています。
王道のスーパーヒーローにはなれなくても、仮面ライダーの中の人にはなれるかもしれないですしねっ!(*‘∀‘)
そして、最後になりますが、このような素敵な回を企画してくださった大津先生、的確で温かい進行をしてくださった宮武先生、(先生が松山先生のウェビナー後、若干涙声だったことで、本当に心あたたまりました)そして素晴らしい講義をしてくださった松山先生に感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
相変わらず、中二な文章でごめんなさい…。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
動画を視聴したいと思ったら…※6/8申込期限 6/30視聴期限
ぜひ視聴したい!という方がいらっしゃいましたら、6/8までに申し込みを…!
1時間半の内容ですが、あっという間でした(^^)
今回ブログには書ききれませんでしたが、障害者雇用を進める上で大事なこともたくさんお話しされていますよ(^^)